下関市の渓流沿いに自生しているイワガネソウについて紹介します。
渓流沿いのイワガネソウの群落(9/10) |
イワガネソウ(岩ヶ根草)
イワガネソウ(Coniogramme japonica)は,英名でJapanese Bamboo Fern。系統的に新しいウラボシ目に属するイノモトソウ科のシダ類です。
英名は,熊笹(クマザサ:kuma bamboo grass=low bamboo)の葉形に類似していて,密生した様子も似ていることから名付けられたのではないかと思います。
次の写真を撮影した付近は,前期白亜紀の脇野亜層群の堆積岩が花崗岩の熱で焼かれた硬質の転石がゴロゴロと転がっている渓流沿いの崖錐地帯で,岩の根元から生えてくるという岩ヶ根草の名にふさわしい場所です。
イワガネソウの葉(9/24) |
イワガネソウの網目状の葉脈 |
淡い黄色~褐色粒状をしているのが胞子嚢で,葉脈に沿って生じています。胞子嚢は乾燥すると褐色になっていきます。
イワガネソウの胞子嚢群のつき方 |
次の写真では胞子嚢を取り囲んでいる環帯がついているのがわかります。胞子嚢が熟して乾燥すると環帯が縮んで胞子嚢が破れ,胞子が飛散するようになります。
イワガネソウの環帯をもつ胞子嚢 |
イノモトソウ科のシダ類で最古のものは,白亜紀の末のMaastrichitian期の地層からミミモチシダ属のAcrostichumの化石が見つかっています。
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