下関市の四王司山(しおうじやま)の山頂の展望所からは,木屋川河口を中心とした周防灘の広大な干潟が一望できます。この干潟では本物の千鳥足が見られます。今回はその一画の千鳥浜町や近くの丘の上にある千鳥ヶ丘町の地名の由来と関係する2種のチドリ(千鳥)について解説してみたいと思います。
四王司山からの王司沖の干潟の眺望 |
シロチドリやコチドリは,ここ山口県では夏に繁殖をするために九州や南西諸島など南方から飛来する夏鳥です。シロチドリは,仲春の4月下旬頃には渡ってきてこれから子育ての準備をします。夏鳥はこれが一般的ですが,コチドリは,西日本の暖地で越冬する個体もいますので,飛来は早めで3月末にはもう干潟で観察できる年もあり,夏期に繁殖を行います。
シロチドリ(白千鳥)
干潟で採餌をしているチュウサギとシロチドリ2羽(4/29) |
このあたりの干潟には,シラサギやアオサギなどの野鳥がよく訪れています。干潟では,季節をとおして色々な渡り鳥が観察されます。(干潟への関係者以外の立ち入りが禁止されていますので,堤防から観察しています。)シギ・チドリによくみられる行動で,シロチドリが獲物をみつけて小走りしている姿がよく見られます。採餌は,干潟でエビなどの節足動物や,ゴカイなどを捕食しているようです。
夏に強く出る黒い模様
シロチドリの足は最初から黒いですが,次の写真は春ですので頭頂部に黒色の模様が少し出てきていて,オスだとわかります。冬羽では,頭頂部はメスと同じ灰褐色で,黒い模様はないということです。ネックレスのような胸部にある帯状模様は,まだ褐色の部分が多いですが黒く生えかわってきています。冬には褐色で目立たないクチバシから目を通る眼窩線(がんかせん)も黒くなってきています。
干潟でシロチドリのオスが,獲物目掛けて小走りをしているところ(4/29) |
シロチドリの白い模様
次の写真では,シロチドリの風切羽の付け根あたりに白色帯状の模様が見られるのがわかります。シロチドリは,コチドリに大きさや特徴が似ていますが,コチドリには白帯模様はありません。目の上にある白く長いマユゲ状の眉斑(びはん)もシロチドリに特徴的です。
干潟でシロチドリが,はばたきながら小走りをしているところ(4/29) |
チドリは落ち着きがない
チドリは,立ち止まっているほうが少ないくらいでしょう。ですので,シャッタースピードを速くしないと,写真がぼやけます。このページの写真は,露出時間が1/500秒で撮影しています。
静止するシロチドリ(4/29) |
シロチドリのメスを前から撮影(4/29) |
シロチドリの後ろ姿(4/29) |
シロチドリの背面は,干潟の色と同化して灰褐色の保護色になっているのがわかると思います。動画も撮影しましたので,動きがわかると思いますがかなり短いです。
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