アオアシシギはユーラシア大陸の北緯50~65°(~70°)という高緯度で繁殖するようで,冬を越すために南方に移動するため下関市で旅鳥として観察されます。今回は,アオアシシギの特徴やその生活の一面を紹介したいと思います。
お盆過ぎに訪れた17羽のアオアシシギの群れ(8/17)1羽の幼鳥の足は黄色がかる |
アオアシシギ(青足鷸)
アオアシシギ(Tringa nebularia)は,英名でGreenshank。
和名は足が帯緑青灰色で青いことに由来します。日本では緑も青も青いと表現しますが,英名の「Greenshank」の「green」は「緑」という意味のほか「果物などが青い」という意味もあります。「shank」は「足」という意味です。
河口付近で3羽のコガモと一緒に1羽のシギが採餌していました。望遠レンズを向けるとアオアシシギだけが警戒しているようでした。
アオアシシギと3羽のコガモ(1/7) |
アオアシシギの大きさは,一緒にいたコガモのクチバシから尾羽までの全長から推測すると,35㎝前後のコガモと同じくらいの大きさと考えられます。クチバシは長くその先端は少し反り上がっています。このような特徴や翼の風切羽,雨覆羽などの特徴を比較してみて,冬羽は灰色の部分が白っぽくなるという点などありアオアシシギだとわかります。類似しているシギに,少し小さめのコアオアシシギがいますがサイズが一致しません。
次の写真では,アオアシシギがコガモから離れ手前の若いアオサギのそばに行きますがアオサギは微動すらしせず頼られているようでした。
アオサギを盾にしてこちらを伺うアオアシシギ(1/7) |
それからアオアシシギも落ち着いた様子で飛んでいって採餌し始めました。次の写真はアオアシシギが飛び立つところですが,翼を広げると腹部だけでなく背中も白いです。
アオアシシギが飛び立ち(1/7) |
アオアシシギも他のシギ同様,川ではカニなどの甲殻類を主に食べているようです。
カニを捕食するアオアシシギ(3/11) |
アオアシシギも花粉症?
2月も下旬うつろな目をしたアオアシシギが砂浜で採餌をしていました。
眼がうつろなアオアシシギ(2/25) |
右目のあたりが痒いのか,川の水にひたした右足でしきりにかいていました。3月4日にもなるとスギ花粉が空全体に舞い上がり,目と鼻腔と気管支がおかしくなるほどでしたのでアオアシシギも花粉で目に炎症があったのでしょう。
眼のあたりをしきりにかくアオアシシギ(2/25) |
下関市では,11月初めから4月末くらいまでよく見られますが,8月に群れが観察されたこともあります。旅鳥とされていますが,日本野鳥の会HPによれば国内では終年観察されているようです。
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