2022/09/11

山口県でとくに刺し身のツマや素麺(そうめん)の薬味などとして食される夏から秋が旬のショウガ科の宿根草;ミョウガとは?

 

ミョウガは,オオバ(青ジソ)や大根おろしなどとともに刺し身などの褄(つま)として添えると大変美味しく食欲をそそる食材です。酢醤油に用いる食酢用カンキツ類としてカボスやスダチ,山口県特産では「長門ゆずきち」などがあります。今回は夏バテに良いとされる「みょうが」について解説します。

写真_植物
ミョウガ(8月上旬)



ミョウガ(茗荷)

ミョウガは,単子葉類のショウガ科ショウガ属に属する多年草で,学名は,Zingiber mioga (Thunb.) Roscoe,英名でMyogaまたはJapanese ginger。
原産は日本もしくは中国南部とされ,古墳時代初め頃にはその記載があり江戸時代から本格的に栽培され食べられているようです。

写真_植物の葉
ミョウガの葉


地下に張り巡らされた根茎から短い茎が生じ,そこから地上にに葉が成長し,最盛期には葉は高さ1mほどにもなります。
葉は冬には枯れて地上から姿を消し,4月になると若芽がでてきますが,次の写真は4月中旬に入り東南アジアから夏鳥のキビタキが渡ってきたばかり時の写真です。このことからも暖かい気候を好む植物であることがわかります。

写真_ミョウガの葉の若芽
ミョウガの若芽(4月中旬)


若芽(葉)を使った食材として,矢ショウガ(食用)に似た「みょうがたけ」というものもあるようです。

7月上旬くらいになると,次の写真のように花穂が出てきて花を咲かせます。
これは「花みょうが」と呼び,魚の刺し身のつまや焼き魚,ソーメンの薬味などとして,千切りにして添えて一緒に食べると美味しいです。食味は,しゃりしゃりとした食感でショウガの葉よりも苦味が強いですが独特の風味があり,酢醤油や醤油出汁などを使う和食と相性が良いです。

写真_ミョウガの花穂
ミョウガの花穂(8月上旬)赤色の成分はアントシアニン。


市販されているハナミョウガは,花の咲いていないものが固くしまっていて日持ちが良いのでこれが売られていることが多いようです。花の咲いたものは劣化が早く,水分も失われてしまっていますので,つぼみの出始め,あるいは花が咲いたばかりまでのものが良いです。

根茎を食するショウガもそうですが,高知県産のミョウガが山口県ではやや高値で流通しているようです。


ミョウガを植えるには?

家の庭の陽射しのある木陰でも育てることができますので,ホームセンターなどで根茎を購入してよく肥えた土に植え付け,水やりをこまめにしておくと,7月から10月にかけて花みょうがを収穫することができます。陽射しの少ない暗い場所では葉は育つものの花穂がたまにしか発生しません。植付け深さは40cmくらいまでなら発芽してきます。

注意しておくべきことは,通常,根茎が20cmくらいの深さまで広がり,栄養繁殖も早く横に広がりやすいですので,スギナと同じく手に負えなくなる場合もあります。また,木陰をつくる樹木にはアシナガバチが巣を作ったり酷い炎症を起こすチャドクガなどが発生することがありますので場所にも注意が必要です。口に入れる食材で,殺虫剤などが葉にかかると危険ですので散布することがないよう気をつけておく必要もあります。


ミョウガは体に良い?

ミョウガは,生体必須元素のカリウム(バナナの6割ほど)やマグネシウムなどがとくに多く含まれます。醤油などで塩分の摂りすぎになるときには一緒に食べると良さそうです。また,ミョウガに比較的多く含まれるビタミンB群は,糖質をエネルギーに変えますので夏バテに効果がありそうです。しかし,カリウムやビタミンBに関してはそれほど多く摂取できるものではありませんから他の食材からもバランス良く摂るよう心掛けておくべきでしょう。































































































































































































































































































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