オオバン(大鷭)は山口県では冬鳥で,川や溜池などで5羽くらいの群れで行動し,春が近づくと1羽,または幼鳥を伴っているのが観察されます。額にある白い額板や長い水掻きが特徴的な鳥です。
今回,オオバンの採餌風景を撮影しました。そのオオバンの特徴,その魅力などについて写真や動画をまじえて紹介したいと思います。
川でのオオバンの群れ(12/30) |
オオバン(大鷭)
オオバン(Fulica atra)の英名はBlack coot,クートだけでオオバンを意味します。世界に4亜種が知られていて,日本にはFulica atra atraのみが生息します。黒色の体色をしたクイナの仲間で,ニワトリのようなずんぐりとした姿です。
クイナの仲間は,日本にはオオバンのほかに,バンやヒクイナなどがいます。この辺りは中間地で,冬鳥として確認できますが,あまり寒いところは苦手なようで,冬は本州以南にいて,北海道では夏鳥として飛来するようです。
ここでは,冬の間は4~6羽の群れで過ごし,それ以外は1羽で行動していることが多いです。冬鳥ともあって夏の間は観察できないですので,北のほうに避暑に渡っているのでしょう。
オオバンは,額に白色をした肉質の額板(がくばん)というものがあって,そういった特徴から,額板をもつものに対してバンという和名がつけられたのだと思います。
オオバンより少し小柄のバンにも,赤色をした額板があります。どうしてこのようなものが,と感じていらっしゃる方も多いと思います。オオバンとバンは姿が似ていても別の属に分類されています。
カメラ目線のオオバンに,背後から迫りくるオオバン(1/3) |
オオバンは,同じクイナの仲間のヒクイナと同じように,血走ったような赤い目をしていて,上の写真では,手前のオオバンが優しそうな表情をしているのに対して,奥のオオバンは,おそらくオスで,雌鳥を守ろうと目がつり上がって怒っているような表情(威嚇)で突進してきているように見えます。
カモでもこのように雄鳥が,狙われた雌鳥を守ろうと近寄ってきたり,自らオトリになって雌鳥を先に行かせる行動が見られます。今回は何も起こらないと安心したのか,カモでよく見られるオトリ作戦は見られませんでした。
見る角度によって表情が違うところなど面白いです。黒い体色と赤い目は,どことなく高貴で,トゲがあるといった風体の顔も魅力です。
オオバンの連れが,川底の水草を採ろうと隣りで潜っているところ(1/3) |
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