下関市においてクサシギは,晩秋やまだ寒さの残る晩冬に河口に近い川や用水路の浅瀬でクサシギが1羽でカニや貝などを採餌しているのが観察されますので冬鳥としても認識できますが見かけることは少ないです。今回は,春,秋とはいわず冬や夏の終わりにも観察されるクサシギを紹介します。
クサシギ(草鷸)
クサシギの学名は,Tringa ochropus(トリンガ・オクロパス)。英名は,Green Sandpiper。
クサシギは大きく見えて体長23㎝前後ほどしかなくシロハラと同じくらいの体格で,黒灰色の翼に特徴的な白い点々が多く散点しています。次の写真のように,秋~冬に灰色がかっていた冬羽が春が近づくと黒褐色の羽に生えかわるようです。
クサシギの濃くなりかけた羽と灰緑色をした脚(2月中旬) |
クサシギの脚は通常,目立ちにくい灰緑色をしています。
次の写真は脚が黄色で不明ですが,イソシギの羽の模様をしていることからイソシギとのハイブリッドの可能性があります。クサシギとイソシギは近縁で交雑した個体が存在するとのことです。日本野鳥の会のHPの情報によるとクサシギの羽の模様であっても黄色の足の個体がいるようです。
クサシギとイソシギのハイブリッド?の黄色い脚 (9月下旬) |
シギ科の鳥は,Sandpiper(サンドパイパー)と呼ばれています。クサシギの英語での名前は,“Green Sandpiper”(グリーン・サンドパイパー)ですので,緑(草)色を帯びた体色をもつシギとして認識されたのでしょう。シギは,干潟で砂地に巣穴を掘って生活するカニやエビなど,つまりサンドパイプをつくる生き物を捕食しているというイメージでしょうか。
採餌中のクサシギ(2月中旬) |
動きをみていると,確かに砂地に穴を掘って棲んでいるエビやカニなどの甲殻類,貝などを細長いくちばしを巣穴に差し込んで,ちょこまかとさぐっているように見えます。
2月中旬でまだ寒さが厳しい頃で1羽のみでしたので,越冬中の個体で移動をしながら一緒に北方の大陸の方に帰る仲間を探していたのかもしれません。2月20日にもなると寒さも緩み,気温10℃を上回る日が増えて梅の花も咲きはじめ姿を見かけないですのでその可能性が高いでしょう。
川で休息中の黄色い足の3羽(9月下旬) |
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