2021/01/07

1月7日に七草粥として食用に供される春の七草;ナズナとは


新年のお祝いの後に酷使した胃を休め整えるために七草粥を炊きますが、その具材の中でアブラナ科に属するものとしてナズナの他,すずな(=蕪:かぶ),すずしろ(=大根)があり,その他,山菜のせり,はこべら,ごぎょう,ほとけのざ(紫色の花の咲く草ではない)の計7種がありますが、地方によって慣習や入手できる具材は異なります。今回は,春の七草の1つアブラナ科のナズナについて写真で紹介したいと思います。

写真_植物
畑に野良生えしたナズナ(12/6)



ナズナ(薺)


ナズナCapsella bursa-pastorisは,英名でshepherd's purse。属名のCapsellaは,sella(サドル)の形をしたCap(カプセル)の中に種子が生じる果実の形態に由来すると解釈でき,種名のbursa-pastorisは,ラテン語のbursa」(袋→財布),pastoris」はラテン語のpastor」(羊飼い)の奪格複数形で,「羊飼いのもつ財布」という意味と考えられ,英名も同義になります。


果実が三味線のバチに似ているため,ぺんぺん草という別名があります。

写真_植物
ナズナの花と果実(12/6)


地面に大根の葉の形に似た根出葉が放射状に生じていますが,茎から生じる葉は形が異なっています。というのも,大根や蕪はナズナと同じアブラナ科に属し、花茎が伸びてきてトウが立つと花を咲かせます。ナズナのロゼット状に分出する葉は、漬物などにして細かく刻んで普通に食べられる大根葉のようなものです。

写真_植物
ロゼット状に広がるナズナの根出葉(12/6)


アブラナ科のアブラナのように上に伸びた茎から生じる葉は抱茎葉となっています。

写真_植物
無柄で抱茎する葉をもつナズナ(12/6)



山口県では七草粥にどのような具材を入れる?

山口県では、米を主体として大根や蕪,ニンジン,ネギ,小豆のほか、用意できれば、野草ともいえるナズナオオバコ,ユキノシタ,小鳥に与えるハコベ(ひずり)などあり合わせのものを入れて,土鍋でお粥の状態に炊いて食べます。


















































































































































































































































































































































































































































































































































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