2021/09/05

9月にツバキの木につく毒針毛に触れると皮膚が痒くただれる蛾の幼虫;チャドクガ(茶毒蛾)とは


9月になり庭の生垣の椿の木の横を通ると,数日後に手の甲が痒く掻きむしり皮膚が次第にただれてくるといったことが起きます。これはチャドクガの幼虫が原因です。今回は,チャドクガの幼虫の写真を紹介します。
 
写真_昆虫
ツバキの葉につくチャドクガの幼虫(9月上旬)



チャドクガ(茶毒蛾)

チャドクガは,チョウ目ヤガ上科ドクガ科アルナ属の蛾で,日本,中国~ベトナムにかけて生息しています。学名はArna pseudoconspersa(Strand, 1914),英名でtea tussock moth,Japanese browntail moth。
「tussock moth」はドクガを意味し,直訳すると「茂み蛾」。その通りで,幼虫は茂みに群生して潜んでいますので,草取りや剪定作業などで不意に触れてしまうと肌がかぶれてしまいます。
属名の「Arna」は,ラテン語でイタリア中部のウンブリアの地名を指し,本属の命名者のイギリスの昆虫学者Francis Walkerが採集旅行にイタリアへも訪れているので恐らくここの地名に由来するのかもしれません。
種名にある「conspersa」は,別種のEuproctis conspersa (Felder, 1874)を指し,この種とは似ているが同等ではないという意味で「pseudoconspersa」(誤ったコンスペルサ種)という種名になっています。「conspersa」は,「まき散らした」という形容詞(女性形)の意味があります。というのも,チャドクガ幼虫は,外敵が近寄ると毒針毛をまき散らす習性があります。

 
写真_昆虫
葉縁に群生するチャドクガの幼虫(9月上旬)


チャドクガの毒針毛に触れると発疹が多数生じて水疱へと悪化し,放っておくと1ヶ月くらい痒い思いをします。

















































































































































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