仲秋の少し肌寒くなった頃に夕方薄暗くなると草むらからティッティキティという面白い鳴き声が頻繁に聞こえてきます。この虫の少し異色の声を聞くとその正体を知りたくなる方も結構おられるでしょう。しかし,アオマツムシと違い見つけることが非常に難しいです。ここでは,『むしのこえ』という歌にも出てくるこのマツムシを写真で紹介したいと思います。
マツムシ(8月下旬) |
10月上旬,6月上旬に植えられたサツマイモ(スイートポテト)の葉が網の目のように虫食まれ,折りたたまれた葉の内側に体長8㎜ほどの小さい蛾の幼虫が観察されました。イモキバガといいますが,またの名をイモコガ(芋小蛾)と呼ぶそうです。今回は,イモキバガについて写真をまじえて解説します。
サツマイモの葉を食べ尽くす寸前のイモキバガの幼虫(10月上旬) |
アサギマダラは,ロシア極東~日本本土から南西諸島,中国南部,台湾,東南アジアなどへ数1000kmも移動をする蝶です。山口県ではアサギマダラの訪れる地として下関市豊浦町の川棚温泉駅の南西にあるリフレッシュパークや山陽小野田市の竜王山がよく知られています。今回は,6月と10月の渡りの途中に下関市に訪れたアサギマダラを写真で紹介します。
9月の下旬,植木の剪定の際に美しい青色の毛状突起をもつ大型のイモムシが5匹ほど鈴なりについていました。とても珍しいイモムシでしたので,その後,経過観察を試みました。今回は,シンジュサンの繭化から羽化までの様子について写真で紹介したいと思います。
食樹のモクセイの木につくシンジュサンの幼虫(9月中旬) |
ヌルデの木にとまるゴマダラカミキリ(9月上旬) |
晩春の5月はトンボ、カワゲラ、カゲロウなど多くの種類の昆虫が羽化して飛びはじめる時期です。5月中旬に山へいくと、カゲロウやカワゲラに形態の似たヘビトンボの仲間をはじめて観察することができました。今回は,ヘビトンボの仲間のヤマトクロスジヘビトンボを写真で紹介したいと思います。
下関市では,11月下旬の寒さの中でもたまにエンマコオロギの鳴き声に若干似たクチキコオロギの鳴き声が聞こえます。12月に入ると気温も10℃前後に急激に下がり,日中も15℃を下回るためコオロギの鳴き声も聞こえなくなります。今回は,地質・古生物学の話題をまじえて寒さに強いクチキコオロギを紹介したいと思います。
側面からズームしたクチキコオロギのオス |
下関市では9月上旬~10月上旬,柿の葉にイラガが群がってついているのがよく見られます。柿の幹には穴の開いた少し気味の悪い堅いマユ状の物体が群がって付着しているのを見たことがある方も多いと思いますが,これはヒロヘリアオイラガの羽化後のマユです。幼虫の毒棘は,この頃ちょうど栗の収穫時期でイガイガで刺さると非常に痛いという点で共通していますね。
今回は,注意しないと痛い思いをするヒロヘリアオイラガについて幼虫,マユ(サナギ),成虫の写真を交えて解説してみたいと思います。
柿の葉の葉縁に群れるヒロヘリアオイラガ(9/16) |
クワガタの仲間でもコクワガタやヒラタクワガタなどは山の近くであれば宅地にたまに飛来しますが,スジクワガタやミヤマクワガタなどは希少な存在です。中でもスジクワガタはゴミムシの仲間と似たものがあり,初めての方は見間違えるといったこともあるでしょう。今回,下関市小月北方の山中で初めて撮影したスジクワガタを紹介したいと思います。