2022/11/08

仲秋から晩秋に収穫期をむかえるピーナツ(南京豆)のなるマメ科の植物;落花生とは?その栽培方法と食べ方


ピーナツの生る1年生草本で野菜でもある落花生は,10月中旬から11月中旬にかけて収穫期を迎えます。国内では千葉県産が著名ですが中国産も多く出回っています。食べ過ぎると胃痛を起こすという方もおられるのではないでしょうか。このたびは落花生についてその形態,栽培方法や食べ方について解説します。

写真_植物
子房柄の伸びた落花生(7月下旬)

落花生(ラッカセイ)

落花生は,マメ目マメ科のラッカセイ属の草本で果菜類の野菜に分類されています。

学名は,Arachis hypogaea L. (1753)

英名は,paenut(ピーナッツ)あるいはgroundnut(グランドナッツ),とくにイギリスではmonkey nut, アメリカではgooberとも呼ばれるようです。

落花生の原産地は南アメリカのアンデスで,江戸時代に中国を経由して日本に入ってきたということで,昔はよく南京豆とも呼んでいました。


栽培方法

種である豆は,5月中旬から6月半ばあたりまでに播種し,千葉半立などの品種で通常,畑の畝(うね)の幅60-90㎝,株間30㎝ほどで良いとされますが,次のナカテユタカという品種を育ててみると6月半ばと遅まきでも草勢が強く畝幅1m,株間1mは必要になります。



株の広がりが径1mにもなる品種(ナカテユタカ)

マメ科は,次の写真のように根に共生する根粒菌が空気中の窒素を固定するため,この窒素を利用して生育できるものがあり,落花生もその1つになります。前作で残っている養分ほどで良いようですが,石灰分が少ないと空のサヤができやすいそうですのでカキ殻石灰を追肥で与えています。

空中の窒素を固定する根粒菌が含まれる落花生の根粒

水をやりすぎたりすると,白絹病のような白色のカビが根について葉が枯れ込み残念なことになる場合があります。



落花生の蝶形の花

落花生の花は柄がなく,次の写真のように花柄(かへい)に見えるものは蕚筒(がくとう)が長く伸びたものになります。この蕚筒の中の基部にのちに子房柄(花柱)が長くのびてその先端で子実(豆果)となる子房があるということです。

葉腋から生じる落花生の花(側面から撮影)

子房柄が長く伸びてきたころには土寄せをして子房が土の中に刺さって入りやすいようにしておく必要があります。土が堅い場合はとくに注意しておかなければいけません。
子実が子房柄にぶら下がるように付いた様子が次の写真です。

落花生の地下の様子(千葉半立)


落花生の収穫

落花生は収穫したら,晴れた日に畑に仰向けにして葉が乾燥するまで5日間程度置いておくと葉の養分が来年の種となる豆に行き渡ります。


掘り上げた落花生(千葉半立)

写真は千葉半立という品種ですが,茎が最初はより上に成長しやすいため栽培面積が狭くてよい品種です。



栽培した落花生の食べ方

豆を市販の袋に入ったようなピーナッツとして食用にする際は,収穫後に子実を切りとり,まとめて日当たりの良い場所に数日置いて乾燥させたものを使います。

子実のまま数十分かけて煎るよりも豆を直に煎った方が時間と費用がかからず今の時代には適していると考えられます。

この場合,中の豆を赤褐色の種皮をとらずに塩水に浸けたあと,卵焼き器のようなもので大豆をいるような具合で,ほどよい味・堅さになるまで煎って食べるとよいです。豆を封筒などに入れて電子レンジでもできるようですが,香ばしさが足りないと思います。

乾燥が足りなかったり未熟のものは柔らかく仕上がりますので,よく煎る必要があるかもしれません。

豆果が未熟な場合は子実のまま茹でて食べると良いですが,好みもあると思いますが,あまり美味しくありません。

































































































































































































































































































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