秋~冬場に山口県の日本海側の響灘や北浦の岩場や岸壁などにはウ(鵜)の群れがよく観察されます。これは川でよく観察されるカワウとは異なるウミウです。ウミウは日本で鵜飼漁に使われ,岐阜県長良川の鵜飼いは1300年以上の歴史があるそうです。山口県では夏場に行われる錦帯橋の鵜飼いが良く知られています。
下関市の角島大橋の中間にある鳩島南側にある岩礁に群れるウミウ(11月中旬) |
ウミウ(海鵜)
ウミウは,カツオドリ目ウ科ウ属の水鳥で,学名はPhalacrocorax capillatus (Temminck et Schlegel, 1850),英名でJapanese Cormorant。
極東・サハリン以南,台湾以北の日本や中国・韓半島の沿岸部,島嶼部に分布し,南西諸島以外では留鳥として観察されるようですが,山口県では寒い時期に群れとして見かけることが多いため,ウミウは冬のイメージが強い鳥です。
体長は90㎝前後くらいになります。
豊北町二見の海岸沿いの岩礁に群れるウミウ(11月中旬) |
ウミウの属名のPhalacrocoraxは,ギリシャ語で「禿げたワタリガラス」という意味になり,日本で普通にみられるカラスよりも大型のワタリガラスが,クチバシの付け根あたりなど白や黄色の皮膚がむき出しになり痩せ細っているような姿からこのような学名がつけられたと考えられています。種名のcapillatusは,「髪の毛のような羽毛をもつ」という意味でしょう。
二見でみられたウミウ(11月中旬) |
Cormorantは鵜のことですが,「貪欲な水鳥」という意味をもちます。鵜は魚を噛まずに丸飲みにするので,「鵜呑みにする」という言葉があるくらいです。
冬場には関門海峡のほうにもやってくるようです。
関門海峡の潮流とウミウ(1月中旬)
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