2021/09/26

サギ科の中でも小柄でクチバシが黒く指が黄色の原始的な白鷺;コサギとは


川や田圃には白鷺がよく観察されます。今回はコサギを写真で紹介し,コサギがシラサギのどの位置を占めるのか系統樹を用いて解説します。

写真_野鳥
川で採餌するコサギ。すでに冠羽をもつ(2月中旬)



コサギ(小鷺)

コサギは,ペリカン目サギ科コサギ属の白鷺で,学名はEgretta garzetta (Linnaeus, 1766)。英名は,Little egret。

写真_野鳥
川底を歩くコサギ(9月中旬)


コサギは,常にクチバシの色は黒色,足の指が黄色ですが,チュウサギ(Ardea intermedia)・ダイサギ(Ardea alba)の白鷺のクチバシの色は春・夏は黒色ですが秋・冬には黄色い色がつき,足は常に黒色をしています。コサギとチュウサギ・ダイサギでは属名が違うのですが,どのくらい遺伝的な違いがあるのかをミトコンドリアDNAを用いた分子系統解析により調べてみました。

写真_野鳥
シラサギの系統樹におけるコサギの位置


コサギ・カラシラサギ(Egretta属)と,チュウサギ・ダイサギ(Ardea属)の2つのグループは,アマサギBubulcus ibis)によって隔てられ意外にもあまり近縁ではないことがわかりました。コサギは,サギ科の鳥類の中でも形質変化の少ない原始的なグループに位置付けられると考えられます。


写真_野鳥
コサギの2本の冠羽と背中の装飾羽(4月上旬)




関連ページ

山口県下関市の水田を訪れたアマサギ,他のシラサギと識別が混乱する理由とそれらの系統関係
























































































































































































































































































































0 件のコメント: