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2020/11/14

山口県のジュラ系豊浦層群阿内層から産出した2種のトクサ化石と現生トクサ


トクサ(砥草)といえば紙やすりの代用として伝統工芸品などの製作に使用されたり爪を研ぎ金属を磨くこともできます。
山口県のトリアス紀~ジュラ紀の地層からはトクサ類の化石が産出します。今回は,下関市の豊浦層群阿内層(Bathonian期末~前期Kimmeridgian期)の中で中期ジュラ紀末~後期ジュラ紀の層準から見つかったカセキトクサの化石について色々なエピソードを交えて解説してみたいと思います。


現生のトクサEquisetum hyemale(07/05撮影)


2017/08/06

ソテツ類のNilssoniaの産出;最上部ジュラ系豊西層群清末層下部層より(Cycadalean fossils Nilssonia ex gr. schaumburgensis from the Tithonian lower Kiyosue Formaion of the Toyonishi Group of Japan)


今回は,今から10年以上前に豊西層群清末層のジュラ紀末期の層準から採取したニルソニア(Nilssonia)の化石を紹介します。ニルソニア属は,ご存知のように地学の教科書にも掲載されるような中生代の主要な植物化石です。好熱性ソテツ類のNilssonia ex gr. schaumburgensisにまつわる清末層の堆積した頃の気候変動の話やこれとパンゲアの分裂との関係などについて余談を交えて解説してみたいと思います。


写真_植物化石
豊西層群清末層下部から採取したソテツ目に属するNilssonia ex gr. schaumburgensis(2006/10/24採取)

2017/05/07

上部ジュラ系豊浦層群阿内層から産出した栃窪層の種と酷似する球果類の葉条Elatocladus(Elatocladus leafy shoots from the Ohchi Formation of the Jurassic Toyora Group)


豊浦層群は,主に内海の海成層からなり,岩相的特徴から4層に区分されていて,下のほうから東長野層,西中山層,歌野層,阿内層の順に重なっています。阿内層(おうちそう)からは,多種多様な針葉樹類の葉や葉条が産出します。その中で最も多種多様なのがElatocladus属です。
今回は,栃窪層の種とよく似た阿内層産のElatocladus sp.の標本の1つを紹介したいと思います。






2017/03/18

ジュラ系豊浦層群阿内層から産出した球果目Elatocladusの枝葉(A Jurassic Elatocladus shoot derived from the Ohchi Formation of the Toyora Group, southwest Japan)


後期ジュラ紀の時代は,現在よりも温暖な気候で多種多様な針葉樹が繁茂していました。
今回は,豊浦層群の最上部を占める阿内層(おうちそう)から産出した後期ジュラ紀の針葉樹類の枝葉の化石の1つを紹介したいと思います。