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2017/11/22

汽水生二枚貝化石Pulsidis nagatoensis密集層;前期白亜紀豊西層群吉母層産(Cretaceous brackish-water bivalve Pulsidis nagatoensis derived from the Yoshimo Formation of the Toyonishi Group)


前期白亜紀の吉母層の時代に吉母地域の汽水域に棲息していた二枚貝類Pulsidis nagatoensisについて解説します。山口県西部には白亜系の最下部を構成する地層として,豊西層群があります。本層群は吉母-阿内地域では下位から清末層,吉母層の順に累重します。


写真_化石
豊西層群吉母層から産出した汽水生二枚貝Pulsidis nagatoensisの密集化石(2000/10/01採取)

2017/09/02

豊浦層群阿内層の模式地の中尾における歌野層/阿内層境界の露頭周辺の状況(The boundary locarity between the Utano and the Ohchi formations of the Toyora Group)


豊浦層群は,今から約2億~1億5500万年前の前期~後期ジュラ紀に,主として海に堆積した堆積物で、下位より前期ジュラ紀の東長野層,西中山層,中期ジュラ紀の歌野層,中期ジュラ紀末‐後期ジュラ紀の阿内層の4層に区分され,ジュラ紀末期~白亜紀初期の豊西層群に不整合に覆われています。この豊浦・豊西両層群の関係は,飛騨地域の手取累層群の九頭竜層群・石徹白層群の関係とよく符合しています。今回は,この阿内層とその下位の歌野層との境界に関するエピソードについて,色々な余談を織り交ぜながら解説してみたいと思います。

2017/08/14

清末層の白亜紀初期のディクソニア科シダ類;オニキオプシスとは,山口県(Onychiopsis derived from the earliest Cretaceous Kiyosue Formation of the Toyonishi Group.)


豊西層群は,下位よりTithonian-Berriasian期の清末層およびValanginian-前期Hauterivian期の吉母層から構成されています。今回は,清末層から産出したOnychiopsis elongataについて色々なエピソードを交えて解説したいと思います。

写真_植物化石
豊西層群清末層主部から採取したシダ化石Onychiopsis elongata(2003/04/13採取)

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2017/08/06

ソテツ類のNilssoniaの産出;最上部ジュラ系豊西層群清末層下部層より(Cycadalean fossils Nilssonia ex gr. schaumburgensis from the Tithonian lower Kiyosue Formaion of the Toyonishi Group of Japan)


今回は,今から10年以上前に豊西層群清末層のジュラ紀末期の層準から採取したニルソニア(Nilssonia)の化石を紹介します。ニルソニア属は,ご存知のように地学の教科書にも掲載されるような中生代の主要な植物化石です。好熱性ソテツ類のNilssonia ex gr. schaumburgensisにまつわる清末層の堆積した頃の気候変動の話やこれとパンゲアの分裂との関係などについて余談を交えて解説してみたいと思います。


写真_植物化石
豊西層群清末層下部から採取したソテツ目に属するNilssonia ex gr. schaumburgensis(2006/10/24採取)

2016/07/10

逆転構造を呈する豊西層群清末層/吉母層境界と豊西層群/脇野亜層群境界;豊関広域農道(グリーンロード)の法面にて


豊西層群の堆積岩の露岩が,大規模に現れた長大法面露頭について紹介したいと思います。場所は,下関市南部の大字阿内 地内で,伊毛の北方に位置し,豊関広域農道(グリーンロード)の阿内トンネルの南口を抜けたところになります。3つの層単元の境界のみられる大変珍しい法面露頭です。実は,この法面の北に架かる橋は施工中に橋脚が落下し大惨事となった場所でもあります。この谷筋などで定期的に地質調査をしていた頃のことで,新聞を見て驚いたのを思い出しますが,橋の傍らには今も花が供えてあります。



豊関農道沿いの豊西層群の現在の法面露頭の状況(2015/09)