仲秋の少し肌寒くなった頃に夕方薄暗くなると草むらからティッティキティという面白い鳴き声が頻繁に聞こえてきます。この虫の少し異色の声を聞くとその正体を知りたくなる方も結構おられるでしょう。しかし,アオマツムシと違い見つけることが非常に難しいです。ここでは,『むしのこえ』という歌にも出てくるこのマツムシを写真で紹介したいと思います。
マツムシ(8月下旬) |
下関市では,11月下旬の寒さの中でもたまにエンマコオロギの鳴き声に若干似たクチキコオロギの鳴き声が聞こえます。12月に入ると気温も10℃前後に急激に下がり,日中も15℃を下回るためコオロギの鳴き声も聞こえなくなります。今回は,地質・古生物学の話題をまじえて寒さに強いクチキコオロギを紹介したいと思います。
側面からズームしたクチキコオロギのオス |
前期白亜紀の吉母層の時代に吉母地域の汽水域に棲息していた二枚貝類Pulsidis nagatoensisについて解説します。山口県西部には白亜系の最下部を構成する地層として,豊西層群があります。本層群は吉母-阿内地域では下位から清末層,吉母層の順に累重します。
豊西層群吉母層から産出した汽水生二枚貝Pulsidis nagatoensisの密集化石(2000/10/01採取) |