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2021/08/01

黒い体色に白い斑点のある大きなカミキリムシ;「洞虫」として嫌われるゴマダラカミキリとは


7月も中旬になるとセミの声が響きわたり真夏日が多くなり,黒いさや羽に白いまだら模様のあるカミキリムシの交尾が観察されます。今回は,カンキツ類の木によく見られるゴマダラカミキリについて,その卵から幼虫,成虫の写真を上げながら生態について解説したいと思います。

写真_昆虫
ヌルデの木にとまるゴマダラカミキリ(9月上旬)

2021/07/11

山口県でカベチョロと呼ばれる爬虫類のニホンカナヘビ;交尾,卵,孵化の観察 / カナヘビ科:道原層の時代に出現!?

 

下関市ではブロック塀を縦横無尽に歩き回るカナヘビのことを子供の頃に“かべちょろ”と呼んでいたという方もいらっしゃると思います。逆に福岡では都市部に多いヤモリに対してそう呼ぶとのことです。ヤモリは田舎ではあまりメジャーな動物ではありませんので,どちらかの県が類似性の範疇でそう呼称するようになったのでしょう。今回は,ニホンカナヘビについて,交尾や卵,孵化の様子を写真に収めたので紹介したいと思います。

写真_動物
孵化して間もないニホンカナヘビ(7月中旬)

2021/06/26

梅雨時期に水場に現れるまだらの黄色い腹部でイボイボ・ザラザラの肌をした大型の蛙;ニホンヒキガエルとは

 

梅雨の6月になると夕方から深夜にかけて水場の岩の隙間など狭いところに隠れてでグァ・グァ・カ・カ・カ・カ・カとうるさく鳴く大型のカエルが現れます。これは繁殖期のニホンヒキガエルで庭先でも見られることがあります。今回はこのニホンヒキガエルについて写真とともに解説します。


写真_動物
梅雨に山で遭遇したニホンヒキガエル(6/19)


2021/06/20

山口県でイギノハと呼ばれ柏餅のカシワの葉に代用される葉;サルトリイバラとは


身近にありながら意外と名前を知らないサルトリイバラですが,山口県などではカシワ餅を包む葉に利用され,イギノハと呼ばれています。今回は,香りよく食べることもできるサルトリイバラについて解説します。

写真_植物
サルトリイバラの葉(4月下旬)

2021/06/12

オオヨシキリとは;草原でギョギョシとカエルのような声で5~6月に鳴く野鳥

 

5月の初めから6月にかけて,カヤや,葦,ダンチクの繁茂した茂みでギョギョシ,ギョギョシと蛙のような鳴き声が聞こえてきます。これは夏鳥のオオヨシキリで,カッコウに托卵されることでよく知られています。今回はオオヨシキリについて解説します。

写真_野鳥
カヤの茎にとまるオオヨシキリのオス(6月上旬)


2021/06/06

梅雨になると梅の木を飛び回る黄色に黒のまだら模様をもつシャク蛾;ウメエダシャクとは


青梅の収穫期の5月末頃には梅の葉の上に白黒の羽と体に黄色に黒のまだら模様のある蛾のサナギがいくつかみつかります。いわゆるシャクトリムシが蛹化したもので,梅雨時期の6月に入ってからひらひらとゆっくり飛び回っている姿はなかなかよいものです。今回は、ウメエダシャクについて写真をあげて解説したいと思います。

写真_昆虫
ノリウツギに訪花したウメエダシャクのメス(6月下旬)

2021/05/30

梅雨前にヤマトクロスジヘビトンボの発生、下関市


晩春の5月はトンボ、カワゲラ、カゲロウなど多くの種類の昆虫が羽化して飛びはじめる時期です。5月中旬に山へいくと、カゲロウやカワゲラに形態の似たヘビトンボの仲間をはじめて観察することができました。今回は,ヘビトンボの仲間のヤマトクロスジヘビトンボを写真で紹介したいと思います。


2021/01/17

人の食用になる真っ赤なダイオウグミに対し,野鳥に食べられるナワシログミとは

 

人の食用になる真っ赤なダイオウグミに対し,山や海岸付近などに自生するナワシログミは野鳥などに食べられます。今回はナワシログミについて写真で紹介します。


写真_植物
真っ赤に熟したダイオウグミの実(5月下旬)


2021/01/07

1月7日に七草粥として食用に供される春の七草;ナズナとは


新年のお祝いの後に酷使した胃を休め整えるために七草粥を炊きますが、その具材の中でアブラナ科に属するものとしてナズナの他,すずな(=蕪:かぶ),すずしろ(=大根)があり,その他,山菜のせり,はこべら,ごぎょう,ほとけのざ(紫色の花の咲く草ではない)の計7種がありますが、地方によって慣習や入手できる具材は異なります。今回は,春の七草の1つアブラナ科のナズナについて写真で紹介したいと思います。

写真_植物
畑に野良生えしたナズナ(12/6)

2021/01/03

正月飾りに用いられるウラジロ科のシダ:ウラジロとは?(Urajiro ferns used for a Japanese New Year decoration in Yamaguchi)


ウラジロは,正月飾りに使用される縁起のよいウラジロ科のシダです。今回は,ウラジロについて写真を用いて学名や分子系統解析,化石などの話題をまじえて解説してみたいと思います。

写真_植物
正月飾りのウラジロ(1/2)

2020/12/27

葉に触れたり降雨後に近寄るとかぶれるハゼノキとは;秋~冬に真っ赤に紅葉も,下関市

 

ハゼノキは,同じ属のウルシと同様に触ったり降雨の後に近くを通ったりすると顔などがかぶれるという方もいらっしゃいます。今回は,秋~冬にきれいな色に紅葉するハゼノキについて写真を用いて解説してみたいと思います。

写真_植物
樹高約10mのハゼノキの高木の枝を下から見上げて撮影(10月末)

2020/12/20

秋に最も遅くまで鳴き声の聞かれるコオロギの仲間:クチキコオロギ,山口県(Duolandrevus ivani in Yamaguchi, Japan)


下関市では,11月下旬の寒さの中でもたまにエンマコオロギの鳴き声に若干似たクチキコオロギの鳴き声が聞こえます。12月に入ると気温も10℃前後に急激に下がり,日中も15℃を下回るためコオロギの鳴き声も聞こえなくなります。今回は,地質・古生物学の話題をまじえて寒さに強いクチキコオロギを紹介したいと思います。


写真_昆虫
側面からズームしたクチキコオロギのオス

2020/12/13

下関市にもいた雪虫;アブラムシ科に属するヒイラギハマキワタムシとは


下関市においても今年晩秋,青白色を呈する“雪虫”が観察されました。雪虫はトドノネオオワタムシが代表的ですが日本では北海道や東北地方に多く発生するということで,初雪の前兆を知らせるともいわれる昆虫です。今回はトドノネオオワタムシに類似しているヒイラギハマキワタムシを写真で紹介したいと思います。


写真_昆虫
ヒイラギハマキワタムシの発見時の写真(11月下旬)

2020/12/06

山口県で「シバ」と呼ばれ,お墓に小菊などの花とともに供えるモッコク科の枝葉;ヒサカキとは


山に入ると林下にヒサカキの低木がよく見られます。山口県でも,お墓参りの際に小菊などの花と一緒にお供えする「シバ」として使われます。今回は,黒く小さな実を生らせるヒサカキについて様々な話題をまじえて解説したいと思います。

写真_植物
ヒサカキの花(3月中旬)

2020/11/23

畑の大根の葉を暴食する幼虫;カブラハバチとは,下関市


晩秋に大根が太ってくると現れるカブラハバチ(蕪葉蜂)ですが,チョウの幼虫のように見えて実は蜂の幼虫だったという意外性のある昆虫を写真で紹介したいと思います。

写真_昆虫
大根の葉に群がったカブラハバチの幼虫(菜の黒虫)

2020/11/22

山口県にもクルミ科の木が多く自生している;ノグルミの実体とは?(Living and fossil juglandaceous plants in Yamaguchi)


クルミ(胡桃)といえば一大産地の信州,長野県のような気候が比較的冷涼な地を想起しますが,下関市にもクルミ科の樹木がまさか繁茂していると想像されたことのない方も意外にいらっしゃるのではないかと思いますので,今回はクルミ科のノグルミについて解説したいと思います。

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写真_植物
長野県産のカシグルミの実(長径5㎝),右は種子を抜きっとった核果。

2020/11/15

秋によく観察される美しい雲の種類:ひつじ雲,うろこ雲,さば雲とは


秋には青い空にきれいな雲がよくみられます。雲は積乱雲や積雲といった鉛直方向に発達する雲を除くと,下位より下層雲,中層雲,上層雲に区分されます。今回は,秋によくみられ中層に形成されるひつじ雲,上層に形成される魚関連のワードからなるさば雲うろこ雲を写真で解説したいと思います。


2020/11/14

山口県のジュラ系豊浦層群阿内層から産出した2種のトクサ化石と現生トクサ


トクサ(砥草)といえば紙やすりの代用として伝統工芸品などの製作に使用されたり爪を研ぎ金属を磨くこともできます。
山口県のトリアス紀~ジュラ紀の地層からはトクサ類の化石が産出します。今回は,下関市の豊浦層群阿内層(Bathonian期末~前期Kimmeridgian期)の中で中期ジュラ紀末~後期ジュラ紀の層準から見つかったカセキトクサの化石について色々なエピソードを交えて解説してみたいと思います。


現生のトクサEquisetum hyemale(07/05撮影)


2020/11/03

桑やイチジクの木に誘われるキボシカミキリの生態,下関市( Yellow-spotted Longicorn beetles of two moraceous trees, Yamaguchi, Japan)


下関市では仲夏と仲秋にクワ科のイチジクや桑の木にキボシカミキリの成虫がとまっているのが観察されます。西日本では初夏と秋の年2回発生します。今回は,キボシカミキリについて,写真や動画をまじえて解説したいと思います。
 
写真_昆虫
イチジクの木にとまるキボシカミキリのオス(10月中旬)

2020/11/01

四王司山のシイ・カシ林において観察された2種のテングタケ属の白いキノコ:シロオニタケ&コトヒラシロテングタケ,下関市


ここ数年の間,夏と秋にツブラジイ,マテバシイ,アラカシ,コナラといった樹木などの繁茂する下関市の四王司山塊の林縁部の森の中を歩いている際に白い大きな見栄えのするコトヒラシロテングタケとシロオニタケというキノコを見つけましたので紹介したいと思います。四王司山は古代から長い歴史をもつ山で,山の大部分が神社の境内ともいえる土地で何でもない所に立ち入ると,時には祟りがあるといった神聖視すべき山であると感じています。


写真_キノコ
下関市の山中で見つかったシロオニタケ(9/28)。